街・地域のいたるところに歴史あるものやいわれのある場所があるのはとても嬉しいものですね。南大阪・南河内はなにせ古墳時代からの歴史があるわけですから。とはいえ、古墳が集中していなくても古代の時代に日本中の少なくない地域に人類のいとなみがありました。
今日は藤井寺の古い大きなお寺の葛井寺(読み:ふじいでら)に行ってみましょう。市の名前の漢字は「藤井寺」ですが寺の名前は「葛井寺」と書きます。どちらも「ふじいでら」と読みます。
葛井寺の歴史紹介ダイジェスト
葛井寺(ふじいでら)は百済からの古代渡来人氏族の葛井氏の氏寺として7世紀に創建された寺院です。
1096年(平安時代)に藤井安基という人が荒廃した葛井寺を嘆いて、修復したことから「藤井寺」という漢字の別名と地名が生まれたとされています。
ご本尊は千手観音菩薩坐像で国宝に指定されています。寺伝では725年に聖武天皇の命により作られ行基により開眼されたとされています。
日本の千手観音は42手で表すのが通常だそうですが、この藤井寺の千手観音坐像には1041本の手があり、実際に1000本の手が表現されるのは日本では異例とのことです。毎月18日にご開帳されるとのことです。
藤井寺駅から葛井寺までのみちのり
近鉄南大阪線の藤井寺駅を南口に出て、駅前から道路を見て左手(東)に少し歩きます。線路沿いに歩いていきますとほどなく駅からはじめの踏切が見えてきます。ほどなくといっても100メートルくらいですからほとんど見えています。
その踏切を挟んで南北にアーケード商店街が伸びています。踏切の前の交差点を右に(南に)曲がり、アーケードの商店街の中を南に進んでいきます。
昭和のレトロな感じが色濃い、雰囲気のいい商店街です。
アーケードが途切れたところで商店街の左手に門が現れました。四脚門(読み:しきゃくもん)です。
葛井寺(ふじいでら)の中

四脚門は安土桃山時代の1601年に南大門として再建され、後の時代に現在の場所に移築されたとされています。国の重要文化財に指定されています。小さな建物ですが葛井寺の中では最も古い建物です。
まずは、境内を歩いてみましょう。四脚門から入るとちょうど本堂(ほんどう)を真横から(西から)見ることになります。
本堂は大ぶりな屋根が印象的です。

本堂の前を右に曲がると本堂から南へ参道が続き、南大門が見えます。
南大門は2度失われ、現在のものは1790年(寛政2年:江戸時代)に再建されたものです。南大門は令和の大改修が行われます。

再び本堂に向かいます。本堂へ向かって左側は阿弥陀二十五菩薩堂(改修中)です。現在、令和の大改修で工事中です。残念ながら足場に囲まれていてよく見えません。
参道の真ん中あたりに「旗かけの松」と名づけられたきれいに整った樹形の大きな松の木があります。楠木正成(くすのきまさしげ:鎌倉時代末期から南北朝時代・室町時代にかけて活躍した戦国武将)の3人の息子が正成の死後、細川顕氏(ほそかわ あきうじ)ら幕府軍との戦いの際、旗をこの松の木に立てかけたとの言い伝えから「旗かけの松」と呼ばれているとのことです(松の木のそばの説明看板から)。

本堂は1776年(安永5年:江戸時代)に竣工したものです。休日はひっきりなしに参拝者が訪れる人気の寺院です。
本堂に向かって左側の阿弥陀二十五菩薩堂の裏には藤の棚がありますが、私が訪れた時は工事で柵がされており入れませんでした。
本堂に向かって右側に休憩処としてヴィクリディタ・サマデ・キリクというカフェがあります。コーヒーや抹茶、葛餅をいただくことができます。
お手洗いは男女別で新しいキレイなトイレが南大門横にあります。
葛井寺みどころリスト
- 本堂
- 四脚門(しきゃくもん)
- 南大門
- 十一面千手観世音菩薩(千手観音)
- 旗掛の松(三鈷の松)
参考にしたサイト
境内の地図は葛井寺のWEBサイトにあります。


葛井寺、藤井寺駅、藤井寺市へのアクセス
葛井寺、藤井寺駅、藤井寺市へのアクセスをご紹介します。
地下鉄(大阪メトロ)天王寺駅、JR天王寺駅(大阪環状線・阪和線・大和路線)、阪堺線天王寺駅前駅から近鉄大阪阿部野橋(あべのばし)駅で近鉄南大阪線に乗り換え(乗換駅でも駅名が違うのにご注意を)。準急に乗車し藤井寺駅で下車して下さい。
近鉄南大阪線藤井寺と土師ノ里(はじのさと)、道明寺(どうみょうじ)の3駅が藤井寺市内の駅となります。どの駅も見どころ満載です。
新大阪駅からは地下鉄御堂筋(みどうすじ)線に乗車して天王寺で下車。近鉄電車へ乗り換えます。
伊丹空港からはエアポートリムジンバスあべの橋駅行きが便利です。関西空港からはJRが便利です。どちらも近鉄大阪阿部野橋駅から近鉄南大阪線へ乗り換えです。
自動車ですと西名阪道藤井寺インターチェンジが便利です。寺院の駐車場はないので近隣のコインパーキングなどに駐車する必要があります。